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何故、借地権に価格が成立するのか|長瀬不動産鑑定事務所 広島市
何故、借地権に価格が成立するのか
では、何故、借地権に価格が成立するのでしょうか?
賃料差額の発生
端的にいえば、借地期間の長期化によって差額賃料が発生し、それによって借地権が市場で取引されるからです。
例) 例えば、2000万円(40万/坪×50坪)の住宅地を借地します。 新規に賃貸するとすれば、月額25000円(2000万×1.5%÷12月)程度 しかし、長期の借地の地代は、法によって賃料改定が規制されるため月額13000円程度しかとれなくなるのです。 (理由)標準的な継続地代の利回りは0.8%程度 また固定資産税額の3〜4倍程度(固定資産税額は時価の0.2%程度)より つまり、賃料が安いため、借地権を対価を払ってでも取得しようとする者があらわれ、市場で取引されることにより、借地権価格が成立するのです。 上の例でいえば、賃料が半分程度なので、借地権を更地価格の半分程度で買っても経済的に見合うのです。 ただ注意すべきは借地権価格が成立するには、借地権取引慣行が存することが必要。 住宅需要が少なく、また更地がいくらでも安く手に入る地域なら、ことさらややこしい借地権を有償で取得しようとする]者はいないでしょう。 従って、借地権があっても、必ずしも借地権価格が成立するわけではないことです。 また、このこと故に、借地権価格の大きさは、地域によって異なるのです。 地価上昇への寄与分
以上は、借地権の第3者への売却時によくあてはまる理由です。しかし、実際は当事者間での売却がほとんどです。
当事者間売買に当たっては、違った視点が必要だろうと思います。 それは、中央大学の先輩で、弁護士で不動産鑑定士でもある澤野氏の主張です。 借地権価格を借地人の地価上昇に対する寄与度に相応する不当利得返還請求の一種としてとらえる考えです。地価は、土地を宅地利用することによって上昇します。借地の場合、建物を建てるのは借地人であり、地価上昇に貢献しているわけです。 従って、その地価上昇に対する借地人の貢献分は、もともと借地人に帰属するものであり、借地権を当事者間で売買するときはそれを清算しなければならない。それが、借地権価格であるとする考えです。 それ故、借地権取引慣行がないからと言って、借地権価格は否定されません。 建物投資のリスクは、地主ではなく借地人が負ったのですから、当事者間の利益考量から言って、借地権取引慣行がなくても借地権価格を認めるべきであり、澤野説が妥当です。 |
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