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特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律|長瀬不動産鑑定事務所 広島市

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特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律
「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」(住宅瑕疵担保法)が5月24日成立しました。
民法上、不動産の買主は、売主に対し、不動産に隠れた瑕疵があった場合、発見してから1年間は責任を追及できるのですが、任意規定のため、特約で排除できます。しかし、消費者保護のため、新築住宅については、業者に対し、品確法によって、基本構造部分は10年間の瑕疵担保責任を課しています。ところが、耐震偽装で判ったように、売主が経営破綻した場合は、絵に書いた餅となるのです。
そこで、政府は品確法を実効あらしめるため、売主に、保証金の供託、若しくは保険に入ることを義務付ける法律を作ったわけです。
しかし、どうでしょうか。その部分が住宅価格に価格転嫁されれば、結局、一部の不良業者のために、消費者は割高な住宅を買わされてしまうのです。
本来、建築確認、検査制度が機能すれば、欠陥住宅は防げるはずです。消費者は、その費用を負担しているのであり、さらに、その制度が機能しない前提で、供託、保険の負担を強いられるとしたら、二重の負担金を支払うことになるのではないでしょうか?
こんな疑問を持つのは私だけでしょうか?!
ところで、事業用定期借地権が改正され、今年から施行になったのをご存知でしょうか?
そもそも従前の建物所有を目的とする土地賃貸借の場合、地主さんが土地を返してもらいたくても、借地法によって、地主側に、返してもらうだけの、いわゆる正当事由が無い限り、土地の明け渡しが認められず、結局、建物が朽廃するまで半永久的に賃借人は土地を使うことができていました。
そのため、土地を貸す人がいなくなり土地の有効利用が進まないため、借地借家法を改正し、借地期間の更新のない、つまり期間が満了すれば土地を返さなければならない土地賃貸借制度を創設したのが、定期借地権制度です。
定期借地権には、事業用、一般、建物譲渡特約付きの3種類があります。
このうち、事業用定期借地権は期間が10年から20年の制限があったのですが、この期間を50年未満に引き上げたのが、今回の改正です。
鉄骨造や鉄筋コンクリート造の建物の耐用年数より借地期間が短いため、土地の有効利用が進んでいないことが改正の理由のようです。
しかし私の認識では、少なくとも店舗利用の事業用定期借地権の場合、幹線道路沿いで、車両通行量の多い地域で場所が限定されるため、期間の短さが借地需要を阻害していたことはなかったのではないかと思っています。
ただ、用途が店舗以外の工場等では利用が進むかもしれません。
私は、これにより、利用が促進されるというより、むしろ地代が値上げされるのではないかと推測します。
というのは、もともと貸し手優位の市場であるところ、今回の改正により、建物の償却期間が長くなることにより地代に回せる収益が増えるから、競争が働けば地代が上昇するからです。
そうだとすれば、地価も上昇するところが増えているので、賃料紛争が増えるのではないかとの懸念もあります。
今後の動向が注目されるところです。
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